オアマルから3kmほどの離れたブッシュー・ビーチは、ニュージーランド固有種のイエロー・アイド・ペンギンのコロニーがあります。このビーチは、手軽にペンギンが観察できる場所として知られており、日暮れ時になるとコロニーに戻ってくるペンギンの様子を観察しに沢山の人達が集まって来ます。
ペンギンが波に煽られ転がりながら上陸する様子、体勢を立て直すと巣のある崖を目指して一目散に小走りしていく様子はとても愛らしく、また同時に巣まで無事に辿り着けるのかと心配にもなりますが、ペンギンウォッチングは非常に楽しいものです。
しかしながら、崖の上に作られた観察小屋からはビーチまでは距離があるのでペンギンの姿は非常に小さく、またペンギンが戻ってくる間隔がかなり長い時があったり、なかなか思うような観察ができなかったりします。
そんな中、ある日のペンギンウォッチングの帰り際、「明日の朝○時に来てごらん。ペンギンがたくさん見られるよ。」とペンギン保護官らしき方が教えてくださいました。(時間を伏せてあるのはペンギンへの配慮です。)
沢山の観光客がいる中、どうして私にだけ教えてくださったのか不思議でなりませんでしたが、貴重な情報を教えて頂いたので翌日早起きしてペンギンウォッチングに出掛けました。
早朝のペンギンウォッチング
早朝ビーチに到着すると、いつも如く崖の上にある小屋から海岸の様子を観察してみました。
すると夕方の観察では1時間見ていても1-2羽しか見付けられなかったペンギンが、1度に数羽、しかも次から次へと海に向かって歩いて行きます。
ペンギン達は道中何度も立ち止まり、周囲の様子を慎重に確認しながら海に向かっていきます。夕方には一目散に巣に戻って行きましたが、出発はかなり慎重な様子でした。
急いでいるけど中々進まなかったり、海まであと少しというところで林に戻っていったり、思わずツッコミを入れたくなります。
林のほうに目を向けると、林の中から海岸の様子を注意深く見回しているペンギン達を見付けられます。
ペンギンはチャンスと見るやヨチヨチと海岸を目指して歩き出しますが、中には用心深くてなかなか出発できないペンギンなどもいて、見ているとヤキモキしてきます。
この時間帯は海岸に下りることが許可されているので海岸に下りてみました。
崖の上に小さく見えるのが先ほどまでいた観察小屋です。こうして反対側から見てみると、かなり遠くにあるというのがわかります。これくらいの距離がないとペンギンに警戒されていまうのかもしれませんね。
あまり動き回るとペンギンが警戒してしまうので、流木に座ってゆっくりとペンギンが来るのを待ちます。
せっかく海岸に下りたので海岸の様子を写真に収めていると、こちらの隙を着いてペンギンが海岸に向かって歩いていました。1本取られた感じです。
海岸からは崖の上から見るのとは違ったアングルで、より間近にペンギンを観察することができます。
その後、このペンギンは波に流され転がりながら着水し、私に爆笑の置き土産を残して海に消えてゆきました。
おわりに
早朝のペンギンウォッチングは認知度が低いのか、観察に来ているのは私達とペンギン保護官の方だけという貸切状態でした。
日暮れ時とは比較にならないほどペンギンが見られるので、オアマルに来たら早起きをしてビーチに足を運んで見てください。